川崎フロンターレはベガルタ仙台と2-2で引き分け、リーグ戦21試合連続無敗(16勝5分け)となった。12~13年にかけて大宮が樹立したJ1記録に並んだ。歴史に名を刻み、新記録樹立に王手をかけたが、先制しながらも後半ロスタイムの失点で勝利を逃した試合に、一同は厳しい言葉を並べた。

   ◇   ◇   ◇

J1記録に並んでも、川崎Fイレブンに笑顔はなかった。開始3分にFW小林のヘディング弾で先制。5-1で勝利した3月の対戦に続く大勝がよぎったが、中央の守備を固めた相手に苦戦して、追加点を奪えなかった。後半29分に失点し、一度はMF三笘のゴールで勝ち越したものの、後半ロスタイムに再び同点とされた。小林は「簡単なミスが多く、セカンドボールも拾えず、1点を取ってふわっとしてしまった」。鬼木監督は「先制後に『行けるのではないか』という雰囲気があったように見受けられた」と唇をかんだ。

それでも、21戦無敗という偉業を達成した。この日は敗れたかのような雰囲気だったが、「負けなし」は継続した。今季は名古屋との2連戦など、大一番を落とさない「勝負強さ」が目立つが、鬼木監督はこれを「プレッシャー(を受ける)というより、違うパワーを持ちながら戦えているのではないか」と分析する。指揮官の言葉を借りると、川崎Fは「勝利だけでなく“サッカーを魅せるところ”にこだわっている」といい、勝利から一段階高く目標を置くことで、プレッシャーを力に変えられているのだろう。

16日の札幌戦では22戦無敗のJ1新記録がかかり、早ければ26日の湘南戦で鬼木監督がJ1最速100勝を達成する。プレッシャーをパワーに変え、川崎FがJリーグの歴史を塗り替えていく。【杉山理紗】

J1勝敗表はこちら―>