王子様には、満月の夜空がよく似合う。浦和レッズのイケメンFWキャスパー・ユンカー(27)が、広島戦(エディオン)で史上5人目となるJ1デビュー戦から4試合連続ゴールをマークした。96年のV川崎(現東京V)FWマグロン以来、25年ぶりの快記録。くしくも24年ぶりとなる「スーパームーン皆既月食」の日に、「スーパー・ユンカー」が光り輝いた。

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満月のスポットライトは、浦和のイケメンFWを照らした。前半15分。ユンカーだ。右サイドからのグラウンダークロスにゴール前で合わせようとしたが、相手DFと交錯し、ボールは左サイドへ流れた。主審にファウルを求めるような素振りを見せていたが、それも演技だったのか? 舞台上でライトを浴びれば、主役の座は譲らない。折り返しにいち早く反応し、右足で流し込んだ。

神秘的な月夜に、「スーパー・ユンカー」が降臨した。1年で最も月が大きく見える「スーパームーン」と皆既月食が重なった「スーパームーン皆既月食」。日本では97年以来、24年ぶりの現象に、ユンカーも黙っていなかった。自身これでJ1リーグ戦デビューから4戦連発弾。96年のV川崎(現東京V)FWマグロン以来、25年ぶりの快記録で応えて見せた。昨季ノルウェー1部のFKボーデ/グリムトで、リーグ25戦27得点。得点王とMVPを獲得した神業は、日本でも輝き続ける。

神々しい左足を武器に、日本へ舞い降りた。来日の際にはガールフレンドを残し、1人で来日。「日本でやりたい。浦和でやりたいんだ」と強い意志を持って、北欧・デンマークから海を渡った。その実力は、チームメートもうなずくばかり。FW興梠は「ユンカーが来て得点が取れるようになった。1試合をとおして得点できる場面を多く作れている」と最敬礼で出迎える。

ピッチを去れば、高級ブランド「バレンシアガ」や「ジバンシー」のパーカーをさらりと着こなす「スーパーモデル」のようなユンカー。身長186センチ、76キロ。夜空に輝く満月の光りに負けず劣らずの、スターぶりを見せつけた。「スーパー・ユンカー」は、まだまだ光り続ける。【栗田尚樹】