サッカー選手としての姿のほかに、知られざる一面がある。「青年実業家」の播戸竜二だ。札幌時代の01年に知人とインターネット上で商品を販売する「LIRIO」(ポルトガル語=百合)を設立。代表取締役の肩書きを持つ。今もG大阪がオフの際は、事務所のある福岡へ向かう。

播戸自身がデザインしたTシャツやトートバッグなど、商品にはこだわりがある。取締役の久米司さん(32)は「彼が全部をデザインするわけではないが、全部に口は出してきますね。自分の作りたいものを作って売っている」と笑う。播戸が手がけた、胸に「LIBERAL」(英語=自由な)と書かれたTシャツには「1つの丸い型に納まりたくない。俺には俺のやり方がある。若い頃のやんちゃな気持ちをデザインした」という思いが込められている。

収益の多くは児童施設に寄付している。自分の試合のチケットを購入し、子供たちに配ることも多い。久米さんは「子供には普段通りに、自然に試合に来て欲しいので、播戸から贈られたチケットとは知らせていない」という。好きなものを作り、収益は恵まれない子供たちへ−。利益を度外視した経営のため、税理士から「本当にお金を儲ける気があるんですか?」と言われたこともある。そんな姿も破天荒な播戸らしのかもしれない。【サッカー担当=益子浩一】

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