ヴィッセル神戸は16日、日本代表FW古橋亨梧(26)のスコットランド1部セルティックへの完全移籍がクラブ間で基本合意に達したと発表した。17日のC大阪戦(ヨドコウ)が神戸在籍として最後の試合になる。

新天地の指揮官は、横浜F・マリノスを退任したばかりのオーストラリア人、ポステコグルー監督(55)。現地でのメディカルチェックなどを経て、正式契約する予定。

奈良県生まれの古橋は、大阪・興国高から中大を経て当時J2の岐阜に入団。18年途中に神戸に移籍し、今季ここまで3年連続2桁得点を達成し、得点ランキング首位の14ゴールを決めていた。最終ラインへの抜けだしを得意とし、決定力あるFWとしてアピールしてきた。J1通算94試合で41得点。

日本代表でも今夏のワールドカップ(W杯)アジア2次予選でゴールするなど活躍し、国際Aマッチは通算6試合3得点。本人はバルセロナ移籍を究極の夢としており、まずは欧州への第1歩を踏み出すことになった。

神戸三浦淳寛監督(46)はこの日、オンラインで取材対応し、古橋の移籍に関して「亨梧には目標や夢は当然あるので、個人としては本当に応援したい。活躍する姿をも見たい。ただJリーグでは得点ランクトップで、存在は神戸には大きい。監督としては正直、痛い」とコメントした。

さらに取材対応した平野孝スポーツダイレクター(47)は、セルティックからのオファーは7月に入ってから届いたといい、シーズン中の移籍は神戸にとってマイナスも大きいが、最終的には古橋の夢を後押しする形で決まったという。

「神戸から欧州で活躍して、最終的には日本に還元できる選手になってほしいという思いで送り出す。そもそも(移籍が成立したのは、セルティックが)素晴らしいクラブというのが大前提。古橋が欧州で成功するためのクラブとしては最適だったと思う」と説明。

相手クラブのオファー条件や、古橋の特長を知り尽くすポステコグルー監督の就任も大きな移籍材料になったようだ。古橋と神戸は契約期間も残しており、高額の移籍金が神戸に入ることになる。

17日のC大阪戦が古橋の神戸でのラストマッチとなり、その後に渡欧する。セルティックは今月下旬から欧州チャンピオンズリーグ(CL)予選2回戦も控えており、移籍後の動向も注目される。