J1サガン鳥栖は19位ながら堅守の大分トリニータを崩せず、3試合ぶりの無得点で引き分けに終わった。これでACL出場圏の3位から5位に後退。クラブ史上初の高みを目指す上で、終盤の大事な時期に露呈してしまった決定力不足は早急の修正課題だ。

その象徴的シーンが、MF小屋松の幻の2ゴールといえる。「(守備の)裏を意識していた」と言い、共有する狙いははまっていた。

しかし、前半11分、守備の裏へ抜け、無人のゴールへ先制かと思われたが、まさかのハンド判定でノーゴール。後半21分には、裏へ抜けたFW酒井の左クロスに合わせて決めたが、オフサイド判定を受けた。詰めが甘かった。

不運な面もあったが、小屋松は「チャンスがあった中で勝てなかったのは、サッカーをやって行く上でずっと課題。押し込み崩せたが、仕留める部分で精度を上げていかないといけない」と反省。この日、鳥栖が放ったシュートは相手の1本を上回る11本。攻撃では圧倒したが、堅い守備攻略に手を焼き空回りした。

次の25日も堅守カウンターが武器の九州対決となる9位のアビスパ福岡戦が待つ。金明輝監督(40)も「1点が遠いゲームだった」と振り返った大分戦からの積み上げはいかに。

小屋松は今後の修正点について「立ち位置とかフィーリング、コミュニケーション、アイデアを合わせて行くしかない」と感じる部分がある。攻撃陣のさらなる奮起が求められる。【菊川光一】