清水エスパルスが9試合ぶりの白星を挙げた。今夏に期限付きで加入したFW藤本憲明(32)が、移籍後4試合目の出場で初ゴール。

2トップを組むFWチアゴ・サンタナ(28)との連係もさえ渡った。

1-0の後半7分。藤本に待望の瞬間が訪れた。敵陣深くで前線から猛烈なプレス。ボランチへのパスコースを消しつつ、相手DFにGKへのパスを選択させた。「バックパスをさせてから(プレスの)スイッチを入れるのは意識していた。足を止めずにGKまで追いかけて、迷わせたのは狙い通り」。言葉通りにGKの元まで猛然と追いかけてミスを誘発した。一瞬の隙を突いて、身を投げ出してシュートを放ち、ゴールにねじ込んだ。「もっと豪快に取りたかった」と笑ったが「1点は1点。勝ち点3を取れたことが最も良かった」と実感を込めた。

3戦連発の先制点を決めたサンタナとの連動した動きから何度も好機を演出した。藤本は「チアゴは体を張れるし、キープもできる。僕が自由にプレーできるスペースもあるので、やりやすい」と手応えを示した。その上で「バリエーションが増えてくれば、攻撃の質はさらに高まる」と、改善の余地があることも指摘した。

シーズンは終盤戦へ突入した。いち早く残留を確定させる上で、両ストライカーの好調ぶりは頼もしい限りだ。【古地真隆】

▽得点経過 前半19分(清水)チアゴ・サンタナ 後半7分(清水)藤本憲明 後半15分(仙台)フェリペ・カルドーゾ