強い川崎Fが帰ってきた。FW知念のゴールで湘南に2-1と競り勝ち、2戦連続後半ロスタイムの得点で試合をひっくり返した。約4カ月ぶりのホームでのリーグ戦で、同17戦無敗のクラブ新記録も樹立した。鬼木監督も「前節も今節も難しい時間はあったけど、自分たちの時間になったときのパワーをあらためて感じている」と手応えを得ている。

前半は自陣で失う場面が多かったが、後半の選手交代と布陣変更で流れをつかむと、左サイドバックから中盤にポジションを移したFW旗手が頭で同点弾を決めた。決勝点のFW知念は「後半25分ごろから脚をつっていた」と満身創痍(そうい)だったが、MF山村のアクシデントにより、最後のカードはDFジェジエウ。驚きながらも「脚がもつ限りガンガン走ろう」と出し切り、勝ち越し弾の後は歓喜と痛みで倒れ込んだ。

韓国でのACL敗退から帰国後は公式戦3戦全勝。主力の海外移籍にFW旗手やDF谷口らの負傷が重なり、8月には3戦勝ちなしと苦戦したが、新戦力の台頭とけが人の復帰で勝負強さを取り戻した。王者は、再び白星街道を突き進む。【杉山理紗】