子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第1回はMF東慶悟主将(31)。

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MF東主将は、クラブハウスを離れたあとの時間について「次の練習や試合に意識を向けるのが基本になる」と話す。東京の練習は午前中が基本で、昼過ぎにはフリーになる。東の場合は14時ごろ帰宅し、両足のリカバリーを30分ほど行ってから、2時間ほどの昼寝で十分に休養を取るという。「休むのも仕事というか、大事だなと思う。31歳だし、いい練習にするためにも」と話す。

プロサッカー選手は毎年の収入も一般企業と比較して多く、子どもたちも憧れる職業。華がある一方で、パフォーマンス低下や、けがなどがあれば選手生命の保障はない。東は「そこには繊細でないといけない。練習していない時間をどう過ごすかで選手のキャリアが変わると感じる。自由な時間をどう過ごすか。好き勝手できるので、遊ぶことも出来るし、誰からも何も言われない。自分次第」と、プロとしての自覚の重要性を語る。

プロの世界は毎日が勝負。たとえオフシーズンであっても、サッカーが頭から消えることはないという。「体調維持のためにも、好きなものばかり食べて飲んだりはしない。引退したときに、やっと翌日を気にしなくてよくなるのかな」と、スパイクを脱ぐまで、心の底からのオフはこない感覚だ。

家族はいるが、昼寝をする時間の大切さは理解を得ているという。夕方に目が覚めてからは娘と一緒に入浴して午後6時ごろに食事。自身も午後10時ごろには寝る準備を始めて翌日にそなえるという。プロとして、チームの主将として、サッカー中心の1日を過ごしている。【岡崎悠利】

◆東慶悟(ひがし・けいご) 1990年(平2)7月20日、福岡県北九州市出身。ポジションはMF。09年に大分U-18からトップ昇格しプロデビュー。11年に大宮に加入し、12年ロンドン五輪では背番号10をつけて4強進出に貢献。13年から東京に加入し、同年に日本代表に初招集。19年から東京でも背番号10となり、主将に就任。178センチ、72キロ。