第100回全国高校サッカー選手権(12月28日開幕、東京・国立競技場ほか)の組み合わせ抽選会がオンラインで行われ、東北勢の対戦カードが決まった。2大会連続準優勝の青森山田は同31日、大社(島根)との2回戦から登場。3大会ぶり3度目の全国制覇を目指す。仙台育英(宮城)は滝川二(兵庫)、尚志(福島)は瀬戸内(広島)、専大北上(岩手)は奈良育英、秋田商は東福岡、羽黒(山形)は岡山学芸館と、それぞれ初戦を迎える。決勝は来年1月10日、8大会ぶりに国立競技場で開催される。

宮城の雄・仙台育英が県勢初の全国制覇への道を突き進む。MF島野怜主将(3年)が優勝経験のある滝川二との「名門対決」を引き当てた。「とても伝統のある良いチームなので難しい試合になると思う。自分たちがチャレンジャーの意識で戦いたい」。相手に不足はない。持ち味の攻撃サッカーを展開し、節目の100回大会初陣を白星で飾る。

“黄金世代”が最終章を迎える。現3年は1年時にU-16全国大会で3位に輝いた。U-16日本代表候補に選出された島野主将をはじめ、1年時から主力としてピッチに立つ選手も多く城福敬監督(64)は大きな期待を寄せている。だが、19年度は全国8強、20年度は同16強に終わり、3年はラストチャンスにすべてを懸ける。島野は「1、2年生の時に味わった悔しさを晴らすためにも決勝の舞台に立って絶対に優勝したい」と力を込めた。

冬本番に向け、調子は右肩上がりだ。主戦場のプリンスリーグ東北では11勝1分け4敗で現在2位。島野は14得点をマークし、得点ランキングトップに立っている。「個人的にも点を取れて良い結果を出せているので、そこは自信になった。全国大会でも攻撃の面でアシストであったり、点を決めてチームの勝利に貢献していきたい」と、背番号10は貪欲にゴールを狙う。

全国選手権の過去最高は1964年度の4強入り。「記念すべき100回大会で、優勝という形で新しい歴史をつくりたい」。悲願の優勝旗を杜(もり)の都に持ち帰り、仙台育英イレブンが大団円を迎える。【佐藤究】