J2アルビレックス新潟の渡辺基治コーチ(42)が20日、母校の新潟市立南浜小学校に招かれ、「キャリア教育授業」の講師として教壇に立った。6年生15人を対象にした授業では、「夢を持つことで興味が湧き、調べようとする。自分の『好き』という気持ちを大切にね」と語り掛けた。

約45分の授業を通して渡辺コーチは1人1人の名前を呼びながら児童との「距離」を縮め、多くの笑顔と発言を引き出した。最後には自らが大切にしている「4K・<1>観察<2>考える<3>行動<4>感謝」を伝授。「困ったときは一番近くにいる仲間や親、先生たちに相談してみることも大切だよ」と地元の後輩たちにアドバイスを送った。

渡辺コーチは新潟工卒業後、ブラジルに2年間サッカー留学。00年に通訳として新潟のスタッフとなり、15年からは通訳兼アシスタントコーチを務める。20年からは主にセットプレーを担当。「実際に判断、プレーするのは選手」と謙遜しながらも、見えない部分で多くのゴールをアシストする。セットプレーを起点に生まれた21年シーズンのゴール集が映像で流れると、「お~っ!」と児童から拍手が起こった。

終了後の取材に対し「3年連続で授業させてもらった。たくさん発言してくれてうれしかった」と振り返った。【小林忠】