三重の10番FW吉良元希主将(3年)は、気合の丸刈りと“三点倒立”で勝利をつかんだ。

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キックオフ1分前。円陣を組むためピッチに集まった三重イレブンの中で、背番号10は突如、丸刈りの頭を芝にくっつけた。両手を芝に当てて体を支えると、ゆっくりと両足を上げて静止。隣にいたDF黒田響平(3年)も続いた。まさかの“三点倒立”に、場内からはどよめきと笑いが起こった。

「普段からトレーニングの一環として(試合前に)やっていて、ルーティンというか、メンタルを落ち着かせるためにいつもやるんですけど。あれ(黒田)はまねしただけです」と吉良。勢いそのまま(?)開始15秒で右クロスに合わせてファーストシュート。枠をそれたが、チームに気持ちは伝わった。西武台に攻め込まれたが開始9分でカウンターから先制点を奪い、その後も防戦一方だったが1点を守り切った。

2日前には頭を丸めた。「人生初めてなんですけど、(丸刈りは)高校サッカーが最初で最後やと思って、悔いが残らないために、失うものなんてないので剃っちゃいました」。そのおかげか、三点倒立の安定感は抜群だった。2回戦では強豪前橋育英(群馬)と対戦する。「自分たちにはうまい選手がいない。団結力と一体感を意識して、1年間積み上げてきた」と話し、「今日の自分のパフォーマンスは納得いかなかったけど、『初戦なんで、こんなもんか』と自分を大目に見て、次の試合でもっとやれるように、チームに貢献できるように頑張りたい」と意気込んだ。

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