阪南大高(大阪)の主将FW鈴木章斗(3年)が1試合5発を決め、通算6ゴールで大会得点ランキング首位に立った。湘南ベルマーレ入りが内定しているエースは、前半途中からの約15分間だけでハットトリックを達成するなど、奈良育英に8-0と圧勝。悲願の日本一、そしてFW大迫勇也が鹿児島城西時代に樹立した1大会10得点の記録更新を狙う。2日の3回戦は優勝候補・青森山田と対戦する。

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阪南大高のエースが令和の怪物候補に名乗りを上げた。1試合5発に「何点も取るのが目標だった」と鈴木。前半28分の1点目を皮切りに、前半が終わるまでの約15分間だけで3発をたたき込んだ。

特に自身2点目となった右ボレーは強烈すぎた。「味方にクロスをほしいと言っていて、いい感じで抑えて打てた」。5発の内訳は右足で3発、左足で2発。どんな体勢、状況でもシュートを放ち、超高校級の決定力を見せつけた。

08年度に歴代最多10ゴールで得点王に輝いた大迫(現神戸)が目標だと公言してきた。バランスの取れた178センチ、70キロの体格は、かつての大迫を思い起こさせる雰囲気がある。大迫やポーランド代表FWレバンドフスキの動画を見て、常に参考にしてきた。

1得点した丸岡(福井)との1回戦は、多くの決定機も逃していた。試合後に「もう少し決定力を上げていかないと、そこ(大迫の記録)まで届かない」と反省したばかり。G大阪ジュニアユース時代は控えだったエースに、浜田豪監督(44)は「特にスピードがあるわけでなく、そこまで高さもない。まだまだ伸びしろがある」という。

3回戦で対戦する青森山田へ、鈴木は「インターハイ王者なので挑戦者の気持ち。相手に取られても、自分が何点も取ればいい」と強気だ。緊張した経験がないという強心臓の持ち主が、今大会で選手権初勝利を挙げたばかりの阪南大高を日本一へ、そして得点王へと突き進む。【横田和幸】

▼記録メモ 阪南大高のFW鈴木章斗が奈良育英戦で5得点。最近では17年度の前橋育英FW飯島陸、07年度の流通経大柏FW大前元紀、00年度の国見FW大久保嘉人が1試合4得点を挙げているが、5得点は過去に91年度の鹿児島実MF上地敏彦が福島工戦、92年度の習志野FW原祐俊が南部農林戦で記録している。今大会の鈴木は1回戦の丸岡戦の1得点と合わせて6点目。76年度の首都圏開催以降の1大会最多は08年度の鹿児島城西FW大迫勇也の10得点となっている。

◆鈴木章斗(すずき・あきと)2003年(平15)7月30日、大阪府生まれ。G大阪ジュニアユースから阪南大高へ。今回の大阪府大会(予選)は履正社との決勝で2ゴールなど調子は上向きだった。安定したポストプレーと決定力が武器。178センチ、70キロ。

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