胸を張れる準優勝だ! 静岡産大(東海2位)は2年連続で決勝に進出し、早大(関東3位)に0-1で敗れた。後半7分にセットプレーからのこぼれ球を押し込まれ、決勝点を許した。降雪の影響で本来の攻撃的スタイルは影を潜めたが、今回で優勝7度目の強豪相手に善戦。悲願の県勢初優勝は来年以降に持ち越しとなった。

大雪で真っ白になったピッチに静岡産大イレブンの笑顔がはじけた。県勢初の優勝を逃し、2年連続での準優勝。表彰式では涙を流す選手もいたが、全てを出し切った。主将のGK河合茉奈(まな、4年)は「悔しいけれど、準優勝もすごいことだと思う。『最後は笑顔で』とみんなに伝えました」。スタッフも加わった集合写真では、全員が晴れやかな表情だった。

粘り強さを見せたが、相手の圧力に屈した。前半はGK河合の再三の好セーブもあり、0-0。だが、耐えきれなかった。後半7分、セットプレーの流れから決勝点を献上。大雪の影響でボールを回せず、反撃の糸口は見いだせなかった。残り10分で雪かきによる異例の中断。想定外のアクシデントも重なり、シュートはわずか2本に終わった。スコア以上の差を感じた敗戦に、本田美登里監督(57)も「個人のクオリティーでは相手が上。その点は選手が一番感じたと思う」と悔しがった。

ただ、目指すべきスタイルは確立されつつある。元日本女子代表の本田監督が昨年就任し、「止めて」「蹴る」の基本をベースとした攻撃的なスタイルを構築。FW三輪玲奈(3年)は「やってきたことは間違っていないことを実感できた」。今大会は2回戦で、昨年決勝で敗れた帝京平成大を撃破。チームの成長を証明する1勝になった。

初優勝は来年以降に持ち越しとなった。4年生が引退し、部員12人での再スタートとなる。河合は「プレッシャーを乗り越えて日本一になってほしい」と思いを託した。【神谷亮磨】