ヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀(29)が、ミスを帳消しにする華麗な先制ゴールを決めた。「自分のミスで自分で取り返そうという気持ちでいたので、それがあの1点につながったと思う」。

前半5分、浦和ゴール前の接触で神戸FW大迫が倒れ込むと、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で再確認の末、神戸にPKが与えられた。

キッカーは武藤だったが、GK西川の好セーブに阻まれ決めることができず。しかし、直後の前半10分。ゴール左の角度のないところから、右足でトラップすると、左足でループシュート。「トラップの時点で浮いてしまって、浮いた瞬間にこれしかないなと思って。強く当てるとループ気味にならないので、とにかく行ってくれという感じで蹴りました」。西川が伸ばした手の先を越えて、ゴール右へ吸い込まれるスーパーシュートとなった。

直後に連続ゴールで勝ち越しを許すも、浦和が退場者を出して10人となった後半にDF槙野のゴールで追いついた。「相手も守り切る気持ちで全員が下がって、難しいと分かっていた。槙野選手が決めてくれたので、最後は全員でとったゴールだと思っている」。勝ち点1とはならなかったが、終盤の攻撃の一丸の粘りに胸を張った。