C大阪が3-1で清水を下し、待望のJ1今季初勝利を挙げた。浦和から新加入の元日本代表DF山中亮輔(28)が、移籍後初先発の期待に応えて事実上の2アシスト。小菊昭雄監督(46)の采配も的中し、鬼門だったJ1でのアウェー清水戦は18年ぶりの白星となった。G大阪は1-1で磐田と、京都も1-1で湘南と引き分けた。

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浦和時代に「悪魔の左足」と呼ばれたDF山中が、C大阪の左サイドバック(SB)の歴史を動かしたかもしれない。今季初勝利に導いた背番号6は、これが初先発。「この試合に懸ける気持ちは誰よりも強かった。ここで1つ結果を出せて満足している」。ルヴァン杯全2戦に先発も、J1では3戦とも途中出場だった。

先制点、勝ち越し点と事実上の2アシストだった。前半45分、相手を置き去りにして左クロスを放つ。FW山田の頭をかすめ、オウンゴールを誘発。同点で迎えた後半12分、再び正確無比な左クロスでMF奥埜の決勝点をアシストした。

「僕の蹴る球の質を理解し、常に(敵にとって)危険な所に入ってもらえるように仲間に要求している。僕もちゃんと蹴ることを練習中から意識している」

C大阪の左SBは12年間、J1通算309試合の31歳丸橋が担ってきた。技術はもちろん、下部組織出身で人格的に優れ、今も第一人者だ。ただ前節東京戦での不振もあり、公正に決断したのが小菊監督だった。

「正統な競争を促し、このタイミングで(山中が機会を)勝ち取って出場したということ」。人情派の指揮官も、練習での100%ファイトが人選の基準。開幕全戦先発の丸橋、FW加藤をベンチからも外し、今季初先発させたMF為田や山田、山中の3人が活躍したのは偶然ではない。

18年に日本代表史上、デビュー最速2分で初得点を記録した山中は、1月の新加入会見で「(会場を)桜満開にしていきましょう」と宣言。その開花予報は現実になろうとしている。この日の主将MF清武の負傷交代は不安材料だが、C大阪が値千金の1勝を手に入れた。【横田和幸】

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◆山中亮輔(やまなか・りょうすけ) 1993年(平5)4月20日、千葉県生まれ。柏、千葉、柏、横浜、浦和を経て22年C大阪入り。J1通算170試合8得点。日本代表は18年親善試合キルギス戦で史上最速デビュー2分でゴール。国際Aマッチ通算2試合1得点。171センチ、65キロ。推定年俸4000万円