磐田東が再び番狂わせを起こした。PK戦の末、5-4で浜松開誠館を撃破。3回戦の常葉大橘に続き、2試合連続でU-18プリンスリーグ東海に所属する格上を退けた。4強入りは2010年以来12年ぶり。05年以来の優勝に弾みをつけた。準決勝は29日に行われる。

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磐田東が競り勝った。1-1で迎えたPK戦。相手4人目のキッカーがゴールの枠を外したのに対し、5人全員が成功させた。ピッチに歓喜の輪が広がる。MF谷野暁希(あつき、3年)は「下克上を果たしてやろうと挑んだ試合。めちゃくちゃ気持ち良い」。プリンス勢連破で、12年ぶりの4強に名乗りを上げた。

開始早々の前半4分に先制されたが、焦りはなかった。スタイルに掲げる「人もボールも動くサッカー」を貫き、躍動感ある攻撃で徐々に反撃。同27分には、谷野の2戦連発となる、狙い澄ました左足弾で同点とし、PK勝ちにつなげた。山田智章監督(57)は「少しずつ、やりたいことが選手に浸透してきた」と勝因を口にした。

チームでは、MF港聖頼(せら、3年)が静清との2回戦で右膝を負傷。離脱した。谷野は「全国大会に行けば復帰できると思う。『港のために』という気持ちもある」。無念の欠場となった主将の思いも背負い、快進撃を続けている。

準決勝では、高校年代最高峰のプレミアリーグで戦う静岡学園に挑む。12年前の県総体準決勝で2-3、昨冬の県選手権準々決勝でも1-3で敗れた。谷野は「悔しさをぶつけたい」。格上キラーの磐田東が、次は金星を狙う。【前田和哉】