セレッソ大阪小菊昭雄監督(47)が、26日で就任丸1年を迎えた。昨年8月25日の湘南ベルマーレ戦で、1-5の惨敗を喫した当時のレビークルピ監督が試合後、会場の本拠地ヨドコウで解任が決まった。

ブラジル人指揮官は、当時コーチで内部昇格が決まった小菊監督にメッセージを送ったという。

「監督は大変な仕事ではあるが、君ならできる。監督業を楽しみ、そして人生を楽しんでほしい」

残りのシーズンは、J1残留が不透明だったチームを、新人監督が立て直して12位へ。ルヴァン杯は準優勝、天皇杯はベスト4に導いた。

今季はここまでリーグ戦で逆転優勝可能な6位、天皇杯はベスト8、ルヴァン杯はベスト4に進み、3冠獲得の可能性がある。

就任から1年のこの日、小菊監督はオンラインで取材に応じ、改めてタイトルへの思いを口にした。

「私も1年前のことを鮮明に覚えている。本当にこの1年、監督だけでなく、人間、社会人としても学びの連続だった。その中で選手、スタッフが日々、100%の姿勢で取り組んでくれた。それが私の一番の喜びでもあり、モチベーションだった」

27日は2位サンフレッチェ広島との大一番を本拠地で迎える。ともに3連勝同士の好調対決。優勝はもちろん、3位以内へは勝利が求められる。中断期間明け初戦で、小菊監督自身は新型コロナ感染の影響で、7月30日のアビスパ福岡戦以来、約1カ月ぶりの采配になる。

「改めて選手らにタイトルの素晴らしさを感じてほしいと強く思う。ラスト3分の1、全員で3冠を目指して、高い目標に向かって1つ1つ戦っていきたい」

今月は下部組織のユースの男女、ジュニアユースの3チームが同時に日本一という偉業を達成した。

その組織のトップチームを率いる小菊監督は「素晴らしい、ハッピーなニュース。次は我々だと強く思った」と意気に感じる。1年前、笑顔でバトンを渡してくれた恩師レビークルピ前監督のためにも、タイトルを懸けた残り2カ月になる。【横田和幸】