アビスパ福岡は3失点の守備崩壊で、ホームでの第1戦を落とした。

FKから集中力を欠いて2失点するなど、リーグ8戦連続失点中の守備が、もろさを露呈した。これには、長谷部茂利監督(51)も「セットプレーの守備が足りない。力不足で改善しないといけない」と険しかった。

リーグ戦は、夏場に新型コロナウイルスの集団感染が発生した影響などで調子が上向かず、残留争いに足を踏み入れている状態だ。

それでも徐々に持ち直して、直近のリーグ清水エスパルス戦は先制されたが、今季初めて逆転勝ち。9戦ぶりの勝利で息を吹き返しつつあった。だがリーグ3位で試合巧者の広島に押し込まれる形となった。

ただ、光明はある。主導権を握られた前半から一転、後半はロングボールを多用して、屈強なフィジカルを持つ外国人選手をターゲットにして、チャンスメークした。

FWルキアン(30)がボールをキープする展開から、最後は188センチ、90キロのFWフアンマ(31)が技ありループや、クロスに合わせるなどで2得点して、結果を出した。

いまだ守備に課題を残す一方で、長谷部監督は「ゲームの中で選手同士がつながり、ゴールに向かう攻撃のいい面が出てきたと思う」と手応えも感じた。

クラブ史上初の決勝進出へ、第2戦は2点差での勝利が必要。簡単ではないことは百も承知。長谷部監督は「難しいことは分かっているが、つながった」と望みを抱いた。【菊川光一】