帝京が13年ぶり選手権出場にあと2勝と迫った。

多摩大目黒と対戦した帝京は前半こそ相手の堅い守備に苦しみ0-0で折り返したが、終盤の連続得点で3-0と勝利。11月5日の準決勝(西が丘)で3年ぶりの出場を目指す国学院久我山と対戦する。

「選手たちには焦らず、ゆっくりやろうと言いました」。日比威監督は試合を振り返って言った。前半は相手の早いプレスで、得意のパスを封じられた。バー直撃のシュートもあったものの、逆に攻め込まれた場面も。それでも「焦りはなかったです」と、FW伊藤聡太主将は話した。

選手権では決勝以外延長戦はないが、都予選は同点の場合延長。「前後半の80分と延長20分の100分で勝てばいい」と日比監督。後半にリズムをつかみ、30分過ぎにCKからDF大田知輝がヘディングで先制ゴール、交替出場のFW横山夢樹が2得点で続いた。

日比監督は「多摩大目黒はうちと同じようにしっかりとパスをつないで攻めるスタイル。強かったです」と言いながら「今日はDFのラインコントロールがよかった。無失点が収穫」と話した。負ければ終わりのトーナメント戦だが「失点しなければ(PK戦でも)50%は勝てるので」と守備の重要性も口にした。

DFリーダーとして守備陣をまとめ、空中戦でも強さも見せた大田は「いつも攻撃陣ばかりが目立つけれど、失点をしないことでチームを下支えしたい」。しっかり守り、焦らず攻めてつかんだ勝利だった。

準決勝の相手は3大会連続出場を狙った堀越を3-0で下した国学院久我山。

15年度に全国準優勝し、3年ぶりの全国大会出場を狙う強豪だ。13年ぶりの出場を狙う日比監督は「最近の実績は向こうの方が上。僕らはチャレンジャーですから」と話した。

昨年全国ベスト4の関東一が、前日の準々決勝で大森学園にPK戦負け。何が起こるか分からないだけに「1つ1つ前に進むことだけ」と日比監督も慎重に話す。選手権の舞台まで「あと2つ」。カナリア軍団の挑戦は続く。【荻島弘一】