京都サンガは“京阪ダービー”を引き分け、勝ち点35でJ2との入れ替え戦に回る16位に転落した。

15位ガンバ大阪とは勝ち点1差で、11月5日の最終節は磐田とアウェーで対戦する。

J2降格圏に沈んでも京都の曹貴裁監督(53)は、堂々と振る舞った。

ホーム最終戦後のセレモニー。大観衆の前で「最後、入ったと思ってジャンプして喜んだ。僕のせいでシュートを外した」とあえて後半ロスタイムの決定機を指摘した。

パウリーニョが左サイドでボールを奪い、中央にいたMF荒木大吾がフリーでシュートを放つ。ボールは、必死に足を出した相手DFに当たって枠をそれた。

荒木は悔しそうな表情を浮かべながら、こう話した。

「あとは決めるだけというパスを、チームがつないでくれた。決めていれば完璧だった。記憶の中で、インサイドで打っていたら…とか、たられば、はある。ただ、ああいうところ(終了間際)で決めきるには、まだまだ自分には足りない。(監督のスピーチも)俺以外は笑ってくれたらいい。チョウさん(監督)が(スピーチで)笑いをとってくれたことを忘れずに。そんなんで落ち込む人間じゃないんで。すぐに立ち上がって、次の試合に向かいたい」

GK上福元が好守を連発。後半37分にはDF井上が顔面ブロックで得点を阻止した。

ホーム最終戦で勝利には結びつかなかった。

ただ、C大阪の小菊監督が「意地と意地のぶつかり合い。死闘、このひと言に尽きる」と漏らしたように、京都にとっては執念でつかんだ勝ち点1でもあった。シュート数は10-10。4位のC大阪と互角に戦った。

曹監督は会見でこう語った。

「今日、もし勝ち点3を取っていたとしても、次の試合に負けてしまったら(J2に)落ちるかも知れない。もう1試合、勝たなきゃいけない試合ができる幸せ。次のW杯(26年大会)に立つべき選手が、自分たちを鍛えるきっかけと捉えて欲しい。うまくなる、強くなってやるという気持ちが強い方が、栄冠をつかみ取る」

残り1試合。京都は一丸で残留をつかむ。

◆J1残留争いの行方 最終節を残して最下位磐田の1年でのJ2降格が決定し、自動降格の残る1枠は15位G大阪、16位京都、17位清水の3チームの争いとなった。勝ち点33の清水は最終節の札幌戦で引き分け以下ならJ2降格となり、来季、史上初めてJ1から静岡県のチームが消えることになる。なお、13位湘南と14位福岡はJ1参入プレーオフに回る16位になる可能性が残っている。

【スコア速報】V決定は最終節へ