高円宮杯U-18県Aリーグ所属の浜名が、金星で5年ぶりに4強入りした。同プリンスリーグ東海所属の格上・藤枝明誠を3-1の逆転で撃破。FW高桑琉吾(3年)が決勝点を含む2点を挙げ、勝利に導いた。準決勝は、5日に袋井・エコパスタジアムで行われる。

浜名の高桑が、藤枝明誠に引導を渡した。2-1の後半35分、左サイドからの折り返しを中央で受けた。「(シュートまで)時間もあったので、GKの位置も見えた。後は決めるだけだった」。相手GKとの駆け引きを制し、逆を取る。右足できっちり流し込んだ。

1-1の前半35分にも、CKの流れから右足で勝ち越し点を決めた。定位置のゴール前で輝きを放った背番号「9」は「シュートを強く意識して試合に入った。結果を残せて、めちゃくちゃうれしい」。豪快に右手を突き上げると、決定的な3点目に沸くイレブンにもみくちゃにされた。

完全復活を印象づけた。今春の県総体後、第5中足骨骨折を負った左足を手術。9月の実戦復帰まで約3カ月半を要した。“遅れ”を取り戻すべく、全体練習後も毎日のようにグラウンドに残った。ランニングに加え、シュートも多い時には50本。必死に体のキレと感覚を呼び起こした。

1次トーナメント3回戦の静清戦(3○0)以来3試合ぶりのゴールで、今大会はこれで3得点。内藤康貴監督(43)も「高桑が点を取ったことがチームにとって大きい」と、ストライカーの躍動を喜んだ。

県総体王者の磐田東に続き、プリンス勢を撃破。勢いはさらに加速した。準決勝では、昨年の県選手権準々決勝で0-3と完敗した藤枝東と対戦。高桑は「負けられない。自分が点を取って勝ちたい」と頼もしい言葉を並べた。自らのゴールで雪辱を果たす。【前田和哉】