Jリーグの年間表彰式が7日、都内で行われ、W杯カタール大会日本代表谷口彰悟(31=川崎F)、山根視来(28=川崎F)がベストイレブンに輝いた。山根は、日本代表の不動の右サイドバックDF酒井宏樹(32=浦和)を抑えての栄冠で、W杯カタール大会へはずみをつけた。谷口は鼻骨骨折の負傷で欠席。最優秀選手(MVP)は優勝した横浜DF岩田智輝(25)が受賞した。

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山根が3年連続でベストイレブンに輝いた。日本代表で不動の右サイドバックに君臨する酒井と、初めて1年を通して争った上での栄冠だ。

山根は32試合3得点(出場時間2815分)、酒井は、負傷の影響もあり20試合、出場時間1534分にとどまった。リーグでは山根に軍配。司会の福田正博氏から「3年連続でリーグを代表するサイドバック」と評された。それでも山根は「(酒井)宏樹君だけではない。ここにいる多くのサイドバックの中で、受賞できたのはうれしい。でも、優勝してここに来たかった思いが強いです」とちょっぴり悔しさを口にした。

20年に湘南から川崎Fに加入。湘南在籍時から日本代表の夢は胸に秘めていた。移籍を決めた大きな理由は、強いクラブで先発に定着することが日本代表への近道になると思ったから。移籍後、すぐに開幕スタメンを勝ち取り、攻撃的なスタイルでチームに欠かせない存在となった。21年3月に日本代表に初招集。夢が現実味を帯び始めた。

今季の開幕前は「今までのW杯とは明らかに自分がいる場所は違う。そこは強烈に意識して1年間過ごしたい」と並々ならぬ決意を語っていた。「フロンターレのために、目の前の試合に勝つためにやるべきことをやる」。今季は優勝こそ逃したが、クラブでも代表でも結果を残し、自らの手でカタール切符をつかみとった。「来季のことは考えていない。目の前にあるW杯に全力を注ぎたい」。3年連続の栄誉を引っ提げ、次は夢舞台で日本代表のために戦う覚悟だ。【岩田千代巳】

○…横浜からはMF水沼宏太(32)ら5人がベストイレブンに輝いた。水沼の父・貴史さんはベストイレブンの経験はなく、父を超えての受賞となった。父からは「おおっ、おめでとう」と祝福された。水沼は「正直、(父を)超えられたとは思っていない」とし「僕の憧れ、尊敬する師でもあり選手。父と同じクラブで優勝できたのは僕にとっては幸せなこと。父の存在が僕を強くしてくれた」と感謝していた。

【まとめ】MVPは横浜岩田智輝!DF16年ぶり選出 ベスト11横浜から5人/Jリーグアウォーズ