今季限りで26年のプロ生活に幕を閉じるJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(44)が10日、神奈川・横浜市内で引退会見を開いた。

フラッシュを浴びながら、スーツに黒色のネクタイ姿で登場し、「明るく楽しい時間にしたいと思うので、よろしくお願いします」と第一声を発した。その後、小野伸二らからのメッセージ動画が会場のスクリーンに流れ始めた。

10月18日に引退を正式発表した。同23日のロアッソ熊本戦では、564日ぶりにスタメン出場。得点には絡めなかったが、後半15分に交代する際には、両チームのサポーターから大きな拍手が送られた。試合後は目を真っ赤にし、涙をこらえている様子だった。

俊輔は横浜M時代に、22歳で史上最年少MVPを獲得。セルティック時代には、06-07年シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、名門マンチェスター・ユナイテッド相手に、鮮やかなFKを2本も決めた。日本代表では10番を背負うなど、その左足で光を照らしてきた。

しかし、26年のプロ生活で、体はボロボロだった。今年6月に右足首を手術。その後も患部の感染症が発生し、9月に復帰したが、右足は悲鳴を上げていた。

◆中村俊輔(なかむら・しゅんすけ)1978年(昭53)6月24日、神奈川県横浜市生まれ。横浜ジュニアユース、桐光学園を経て97年に横浜M(現横浜)に入団。02年にセリエAのレッジーナに移籍。05年からはスコットランド1部リーグのセルティックでプレー。その後、スペイン1部リーグのエスパニョールを経て、10年に横浜に復帰。17年から磐田。19年7月から横浜FC。00年と13年にJリーグMVP。日本代表として06年W杯ドイツ大会、10年南アフリカ大会に出場。国際Aマッチ通算98試合24得点。178センチ、71キロ。