全国高校女子サッカー選手権が30日、兵庫で開幕する。北信越第1代表・開志学園JSCと、同第3代表・帝京長岡の2校が県勢初の全国優勝に挑む。5大会連続5度目の出場となる帝京長岡は1回戦で大会最多5度の優勝を誇る藤枝順心(東海1・静岡)と対戦する。チームをけん引するのはアメリカの大学進学が決まっているFW末次結依主将(3年)。卓越したドリブルスキルと決定力を武器に全国の強豪をなぎ倒す。

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末次が日本でのラストトーナメントに挑む。2大会前は4得点を挙げて得点王を獲得し、県勢初の4強入りに貢献したが、準決勝で藤枝順心に敗れた悔しさは今でも忘れていない。「1回戦で順心と当たりたいと全員が思っていた。楽しみ。絶対に勝つ」と今大会初戦でのリベンジを誓う。

パスを受けたら独特のリズムでドリブルを仕かけ、ゴールを射程圏に捉えると、左右どちらの足からでも積極的にシュートを放つ。「自分で利き足が分からない(笑い)。場面によって使い分けてます」と話す。

佐賀県出身。宮崎大教授の父大輔さんは野球一筋で母百合子さん(ともに47)はバレーボール経験者と、スポーツ一家で育った。「兄、弟は野球。私だけサッカーを選びました」。中学1年時に帝京長岡の練習に参加し、パスとドリブルを織り交ぜたスタイルに魅了された。同校が全国選手権初出場(18年度)した当時からチーム遠征などに帯同してきたため「自分にとっては5度目の選手権です」と笑う。

卒業後はアメリカでサッカーを続ける。プレー動画を見た3大学からオファーが届いている。入学は来年9月。「言葉とフィジカル面を磨き、いつかマンチェスター・シティーなどのビッグクラブでプレーしたい」と夢を膨らませる。

高校最後となる冬の集大成。「初戦が一番のヤマ。勝って勢いつけて、てっぺん取ってアメリカに向かう」。初の日本一に向け、エースがゴールを狙う。【小林忠】

◆末次結依(すえつぐ・ゆい)2004年(平16)5月22日生まれ、佐賀県出身。佐賀大付小3年でFCブラストに入団し、サッカーを始める。佐賀大付中1~3年はVALENTIAに所属。帝京長岡高では1年春からスタメン入りし、20年度の全国選手権で得点王となり4強入りに貢献した。21年度は全国総体で4強進出。参考にする選手はハーランドとレバンドフスキ。159センチ。