J2が開幕。モンテディオ山形はヴァンフォーレ甲府を2-1で破り、6年ぶりの開幕戦勝利をリーグ1番星で飾った。J1川崎フロンターレから加入したFWイサカ・ゼイン(25)が、先制点のアシストを含む2得点に絡む活躍。途中出場のMFチアゴ・アウベス(26)が、PKで決勝ゴールを決めた。

    ◇    ◇    ◇  

山形がついに開幕戦5年連続未勝利の呪縛を解いた。昨季天皇杯王者の甲府に2-1で競り勝ち、17年以来の白星発進。試合後、ゴール裏のコールリーダーから拡声器を受け取った主将のMF南秀仁(29)は開口一番「やっと勝てましたー」と声を弾ませた。この一戦は他会場6試合よりも1時間早くキックオフ。山形が栄えある今季のJ2、1番星をつかんだ。

スピードスターが右サイドをぶっちぎった。0-0の前半9分、DF川井歩(23)が前線にロングボールを送り、大外からマークにつく相手DFの半歩前に出たイサカが、グラウンダーのクロス。最後はFWデラトーレ(30)が左足で合わせて先制した。イサカは「GKとDFラインの間に速いボールを入れれば、そこに誰かが入ってくる」と味方を信じ、今季のJ2ファーストゴールを演出した。

イサカは決勝弾の起点にもなった。ピッチ中央から左サイドに大きく展開。ボールを受けた途中出場のチアゴが、ペナルティーエリア内で仕掛けると、相手DFにファウルで止められPK獲得。後半32分、自らGKの逆をついてゴール左に流し込み、山形が2-1と勝ち越し。試合前日、チアゴは安達壮トレーナーからマッサージを受けている最中に「明日はオレが決勝ゴールを挙げる」と宣言していたという。「チームを勝たせられてうれしい」と有言実行弾に笑顔を見せた。

フル出場したイサカは、チャンスメークで甲府の脅威となった。「まだまだ課題はいっぱいあるが、勝利という結果でスタートできて良かった」。2得点に絡む活躍も「ゴールを決めないといけないポジションで、シュートを1本も打てなかった。そこは貪欲に求めていきたい」と反省した。昨季の主力が複数人抜けた中で、5人の新戦力が出場して勝利。「J2優勝、J1昇格」に向けて力強く発進した。【山田愛斗】