14位に沈むベガルタ仙台が、上位狩りに成功した。2位大分に1-0で競り勝ち、4試合ぶりに勝利。ユアスタでは2月26日のホーム開幕栃木戦(1○0)以来の白星となった。J1鳥栖から期限付き移籍で加入したMF相良竜之介(20)の仙台初ゴールが決勝弾。昨季、鳥栖から復帰したMF梁勇基(41)は、後半から今季初出場し、いぶし銀の働きで勝利に貢献した。

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21歳差コンビが、仙台に4試合ぶりの歓喜を呼び込んだ。20歳の相良が試合を動かし、41歳の梁が試合を締めた。後半23分に左サイドハーフで先発した若武者が退き、同じポジションにベテランが投入された。梁が仙台から鳥栖に移籍した20年と21年にチームメートだった2人。試合後には隣同士でタオルマフラーを回し、サポーターと勝利の喜びを分かち合った。

相良が強烈な一撃を突き刺した。0-0の前半15分、相手が左CKをクリアしたボールをDF小出悠太(28)が落とし、思い切り良く右足ボレー。「とにかく枠に入れよう、ふかすことだけはやめようと、うまく抑えて、いいところに飛んでくれた」。鳥栖時代の20年11月29日に決めたプロ初ゴール以来、2年5カ月ぶりの得点。「なかなか個人的には取れず、勝てない試合もあって悔しい思いをしてきた。ホームでたくさん観客がいる中で決められてうれしい」と力を込めた。

梁が今季初出場した。サポーターが肩を組み、左右に動きながら「リャンーヨンギー、リャンーヨンギー」とコールする「リャンダンス」で迎えられ、「すごく気合が入った」と途中出場した。守備や声かけに重きを置いて試合をコントロール。FKとCKでも計6度キッカーを務め、攻撃の起点にもなった。「何よりも久々のピッチで、ものすごく楽しかった」。ロスタイムの6分含め約30分をかみしめながらプレーした。

前半34分に相手DFが一発退場し、数的優位で1点止まりはもの足りなさもある。それでも、相良が結果を残し、梁は「これからもっと乗ってくれると思うし、乗っていってくれないと困る存在」と期待。次戦5月3日はホームで秋田との東北ダービーだ。「今日の勝ちに満足せず、次も勝ちにこだわって戦いたい」。反転攻勢を狙う仙台には、勢いづく若手と頼れるベテランがいる。【山田愛斗】