待望のホーム初勝利だ! モンテディオ山形が藤枝に鮮やかな逆転で3-2で勝利。0-2の後半24分、MF横山塁(23)のゴールを皮切りに35分、MF南秀仁主将(30)が同点。さらにこの日、FWの位置に入ったチアゴ・アウベス(26)が38分、右足でゴール左隅に流し込み、14分間の逆転劇をサポーターにプレゼントした。

反撃ののろしは横山の豪快なミドルからだった。0ー2で迎えた後半24分、相手DFがクリアしたこぼれ球を拾った横山が左足を一閃(いっせん)。ボールはゴール右に突き刺さり、1-2。このゴールで息を吹き返した山形は35分、南主将が今季初ゴールを決め、2-2の同点。逆転劇の仕上げは、普段のサイドハーフのポジションではなく、トップに入った“FW”チアゴ・アウベスの一撃だった。MF田中渉(22)のスルーパスに抜け出したチアゴが右足でループシュート。ボールはゴール左のサイドネットに吸い込まれ、3-2と逆転。冷たい雨が降る、気温12度のコンディションの中、集まった5390人のサポーターに今季5戦目にして初のホーム勝ち星をプレゼントした。

同点ゴールの南主将は「ホームの初勝利が遅かった…。一緒に悔しい思いをしてくれたサポーターに勝利を届けることができて良かった」と振り返り、逆転ゴールのチアゴは「ゴールに近い位置にいるということは自分の特徴を生かせる」と胸を張った。渡辺晋監督(49)は「自分たちがどういうような振る舞いをすれば相手に脅威を与えることができてゴールを奪うことができるのか、選手がパワーを持ってやり抜いたことが勝因だと思う」と遠かったホーム初勝利を喜んだ。

チームはこの勝利でJ3降格圏の21位を脱し、19位に浮上。次節は13日、アウェーで「東北ダービー」仙台戦が待ち受ける。渡辺監督は「ダービーは勝たなくてはいけない試合。『絶対勝つぞ』と選手にはもう伝えました。この意気込みに今日の勝利の勢いがプラスアルファされることを願っている」と、勝利に向け、最善の準備をすると誓った。ホーム初勝利の呪縛から解かれた山形が逆襲態勢に入る。【浦部歩】