川崎フロンターレ(川崎F)がホームで柏に2-0で快勝し、リーグ戦の連敗を2で止めた。

頼れるベテランが躍動した。前半21分、今季リーグ戦初先発となったFW小林悠が、相手のスローインのミスを見逃さず、ゴール左の角度のないところから決めて先制。その後も、人が有機的に関わりパスがつながる川崎Fらしい攻撃で、チャンスを何度も作った。 同46分には、DF登里享平がサイドからパス交換で中央へ進入し、利き足ではない右足を振り抜き、貴重な追加点を決めた。

今季なかなか調子が上がらないなか、久々のホーム開催試合で、キックオフ前に中西哲生氏や中村憲剛氏、鄭大世氏、井川祐輔氏、小宮山尊信氏、田中裕介氏、武岡優斗氏、田中パウロ淳一というクラブOBが始球式セレモニーを行った。そのレジェンドたちと交流の深い、クラブ在籍14季目の小林と、15季目の登里が結果を残した。

ウオーミングアップを終えてロッカールームに戻る際に、OBらとハイタッチをしたという小林は「勝つところを見せたいし、お世話になった先輩のパワーはすごく感じましたね」としみじみ。ゲームに入る前から、登里とともにポジティブな声をかけ続けていたことも勝利の重要な要因だった。「気持ちがかなり入っていた。ゲームに入る前ならいい声が出ていた。『気持ちだぞ』って言っていた。サッカーは気持ちだなって感じたゲーム」と手応えを感じた。

この日は、小林、登里の他にも大島僚太、家長昭博、車屋紳太郎ら、黄金期を知る在籍年数の多い選手がスタメンに並んだ。小林は「だいぶ年齢層高いなって思ったんですけど」と笑いつつ「作りあげてきた選手たちでしっかり結果を残すという鬼(木)さんのメッセージ。それがチームの競争につながるということでこのメンバーだった。これをきっかけにいい競争につながればいい。若い選手が僕たちのプレーを見て、もっともっとやらなきゃっていう気持ちになったら、競争が高まる。そういった意味でも価値のある勝利だったかな」と振り返った。

キャプテンマークを巻いた登里も「背中で示していかないといけない。自分たちがチームを勝たせないといけない。自分はどう振る舞えるか。結果でチームを引っ張っていくのはポジションに限らず大事」と自覚を示した。

頼れるベテランには鬼木監督も感謝した。「(2人が)『このチームは負けちゃあいけない』という姿勢を出してくれた。プレーも、声かけも含めて。ポジティブで強気な声かけがあった。波及してみんなが強気でできた。プラスでゴールまでとっているので結果で示したかなと思います」。

今度こそ、上昇気流に乗って、上位進出を狙いたい。【佐藤成】

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