元日本代表の北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)が現役生活に幕を閉じた。小野がオランダリーグのフェイエノールトと契約した01年から担当したエリーヌ・スウェーブルス通信員がオランダでも愛された選手を振り返りました。

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01年に小野伸二がフェイエノールトと契約すると、私はオランダでいわゆる「小野ウォッチャー」となった。毎日練習場に立ち、毎週フェイエノールトの試合を取材した。人懐っこい性格、ピッチ上での優れたテクニック。すぐにオランダ語も覚え、人気者になるのに時間はかからなかった。

代名詞の「ベルベットパス」。芸術的なパスで評判が急上昇した02年1月、地元紙が名付けた。ベルベットは英語で肌触りのいい滑らかな感触の織物を指す。柔らかなタッチから繰り出されるパスは、まさに滑らかといった表現が当たっていた。一流のお墨付きを与えられた証明でもあった。

同年5月のUEFA杯制覇は、キャリアのハイライトだったに違いない。中盤の小柄な日本人が輝いた。ホームでのドルトムントとの熱い決勝戦に勝利した後、小野は幸福感に酔いしれてピッチを歩き回り、スタンドから転がり落ちる賛美の歌声を楽しんだ。

ファンマルワイク監督からも全幅の信頼を寄せられていた。毎週行われる試合前の記者会見では「週末のスタメンは6番(主将のMFボスフェルト)と14番(小野)を最初に紙に書き込む」と何度も話していた。同監督は日本サッカー協会から小野にかかるプレッシャーの大きさに常々不満を漏らしていた。母国が日本代表に招集させたかったのと同じように、ファンマルワイクも小野をロッテルダムに引き留めたかったのだ。「そのことが、彼のキャリアの後半に頻繁に起こる長期離脱の一因となった」と嘆いていたことを覚えている。

私は幸運にも、4シーズンにわたり取材することができた。最後に小野伸二に言いたい。オランダに魔法をかけてくれたことにたくさんの感謝を。(エリーヌ・スウェーブルス通信員)

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