元日本代表のコンサドーレ札幌MF小野伸二(44)が26年間のプロ選手生活に別れを告げた。3日、札幌ドームで行われた現役ラストマッチの浦和戦に先発し、22分間プレーした。試合後の引退セレモニーでは、3万1143人のサポーターに、チーム関係者や家族への感謝の気持ちや10月に亡くなった母への思いなどを語った。小野のスピーチは以下の通り。

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みなさん、こんばんは。そんな時間じゃないですか。まずは浦和レッズサポーターのみなさん、今日は温かいブーイングありがとうございます。ミシャさんのあいさつの時、まぁいろいろありましたが、こう見えてもミシャさん浦和レッズ大好きです。忘れないでください。1つお願いがあります。どんな時でもどんな人に対してもリスペクトということだけ忘れないでください。

そして、北海道のみなさん、スポンサー企業のみなさん、北海道コンサドーレ札幌、クラブ、監督、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、用具係、そしてグラウンドキーパーのみなさん、たくさんの方に僕は支えられてピッチに立てる今日がありました。本当にありがとうございます。

14年の夏に北海道の地に来てから、僕自身はトータル7シーズン、過ごさせてもらいました。今日、(引退セレモニーで放映された)映像が少なかったように、大した記録は出してません。試合にもそんなに関わってなかったなと、自分でも思ってます。ただその中で、この札幌ドーム、そして厚別競技場で1得点ずつ点を取れたこと、それは自分の中でうれしく思っています。

心残りは、もちろんJ1でのタイトル、自分がいる時にその夢が実現できなかったことです。本当に申し訳ございません。ただその中で、J2から始まり、J1を経験でき、素晴らしい選手たちと一緒に毎日楽しくサッカーをさせてもらったこと、それはすごく僕にとっても、これからの人生にとっても宝物です。本当に選手のみなさんありがとうございました。

そして、自分の家族、奥さん、2人の娘、こんなどうしようもないお父さんを、どうしようもない父を持って本当にごめんね。支えてくれてありがとうございます。

(試合前にパフォーマンスを披露した)AK(AKー69)さん。試合前に札幌ドームを熱く、いい準備を整えてくれたのに試合に負けてしまい、申し訳ございませんでした。試合前からいい雰囲気を持って試合に臨めました。僕自身は、20分間という短い時間でしたけど、自分が持っている力を20分の中で出せたんじゃないかないかと思います。

今日で、プロサッカー選手生活が終わりますけど、僕自身はサッカーを愛し、楽しんでサッカーを続けていくのでこれからもよろしくお願いします。そして今日、この会場に足を運んでくれた仲間たち、みなさんの力を合わせれば、こういう景色をつくることができるんです。どうぞ来シーズンもこういう景色を残された選手たちにつくってあげてください。よろしくお願いします。

最後に、みなさんには関係ないかもしれませんが、自分の母、10月17日に旅立ちました。お母さんにひと言。僕を産んでくれて、そして素晴らしいサッカーというものに出会わせてくれてありがとうございました。感謝しきれないほど言いたいことがあります。

僕もこれから第2の人生が待ってますが、ゆっくりはしませんが、少しずつ自分の道を進みながらコンサドーレ札幌、日本サッカーに携わっていけるように頑張っていきますので、これからの小野伸二もよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

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