サッカー元日本代表MF中村俊輔氏(45)の引退試合が行われた。

両チームともに豪華メンバーが集結した中、中村氏は前半はYOKOHAMA FC FRIENDSで、後半はJ-DREAMSで45分間ずつプレー。代名詞の直接フリーキックなど、双方でハットトリックを決めた。

今回、両チームには横浜マリノス、横浜F・マリノスや日本代表でともにプレーしたDF松田直樹さん、MF奥大介さんの名前がメンバーにあった。

試合中は両ベンチに2人のユニホームが飾られ、前半3分、大型ビジョンに「松さんありがとう 俊輔」、同14分に「大ちゃんありがとう 俊輔」のメッセージが映し出された。2人の背番号にちなんだタイミングで試合も一時中断。感動的な演出に会場からも大きな拍手がわいた。

松田さんは11年に急逝心筋梗塞で亡くなった。奥さんは14年に沖縄での交通事故により亡くなった。

中村俊氏にとって2人は忘れられない恩人だ。会見で、改めて2人への感謝の思いを口にした。

「マツ(松田)さんはぼくが若い頃入ったときからずっと面倒をみていただいて、僕がサッカーばっかりやっていたので、『お前サッカーばかりじゃダメだ、世間知らずだな』といって、いろんな方と合わせていただいたり、食事にいったり、そこでサッカーの話をずっとしたり。そうやって僕を成長させようとしてくれた方です」

奥さんについてもこう語った。

「大さんはジュビロ(磐田)から移籍してきて、横並びで一緒にやったんですけど、横並びで一緒にやってすごく良かったのは、シンジ(小野伸二)と、ワールドユースで一緒にやった大野(敏隆)と大ちゃんだった。それくらい息が合う感じ。練習中も試合の時も靴下を下げてふくらはぎみせて、いつも楽しくやって、いつも気を使ってくれた。サッカーのあうんの呼吸があって、自分の能力を引き上げてくれた」

試合を中断してメッセージと写真をビジョンに映し出すのは中村俊氏のアイデアだという。「やっぱり一緒にプレーしたいなっていう気持ちでやらせてもらいました」。多くのサッカーファンにとって、中村俊輔氏の輝かしいキャリアとともに、2人の偉大なサッカー選手の存在を改めて思い返す1日となったに違いない。【佐藤成】

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