日本プロサッカー選手会(JPFA)が大みそかの31日、都内で2季連続となる年間表彰「JPFAアワード」を開催する。

午後9時から新しい未来のテレビ、ABEMAで初めて無料生中継される。全国で温浴事業を展開する株式会社極楽湯(本社・東京都千代田区)がタイトルパートナーに決定するなど、2年目を迎え「選手が選手をたたえる賞」は大きく進化した。

昨年は創設を主導し、今年はスポンサー営業にも奔走したJPFAの吉田麻也会長(ロサンゼルス・ギャラクシーDF)に思いを聞いた。

(聞き手・八反誠)

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-今回は生中継が決まり、スポンサーもつきました

「ABEMAさんが、この賞に価値を見いだしてくれた。放送が実現してスポンサー獲得にもつながった。去年は“持ち出し”での開催。今年の目標はスポンサーさんについてもらうことだった。夏からスポンサー探しで営業に回ったんですが、スポンサーになってもらうことは、本当に大変なことだと、学びました(苦笑い)」

-2回目で、真のスタートといえるのでしょうか

「自走、自立して、プラス、なんとか選手に賞金も出せるようになった。ここが今回の一番のポイントです。去年はトロフィーだけだったので。とにかく何かしら、選手会のメンバーみんなにベネフィット(利益、恩恵)を感じてほしかった。

これを機に、どんどん認知度をアップさせ、露出が増えていけば、よりよいものになる。

放送についていえば、サッカーの露出がどんどん減っているじゃないですか。特に今、日本はオフシーズン。そういった時に、どうやって露出していくかも、すごく大事。

この年末年始は、元日の試合、代表戦(国際親善試合の日本-タイ戦)もあって、大みそかはこれ。これからは、シーズン移行にも柔軟に対応するような感じで、シーズン終了後にやるという形に、もっていきたいと思っています」

-選手が選手を選び、たたえるというところの意味合いは、いかがですか

「やっぱり同業者から選ばれるって、どんな職業でもうれしいじゃないですか。『認められたな』って。

イギリスの時(サウサンプトン在籍時)は特にそう感じました。チームでもファンが選ぶ、クラブが選ぶ、選手が選ぶ3つの賞があって、チームの中で最も盛大で最も盛り上がるのが選手が選ぶ賞だったので。

面白さとしては、たとえば、Jリーグアウォーズの受賞者との違いだと思います。(JPFAには、ほぼ)外国人がいないので、Jリーグアウォーズの表彰者とJPFAアワードの表彰者は変わってくる。

選手投票なので、実際にピッチで戦って肌で感じた目線で選ぶ。その肌感による違いなんかも出てくる。

サッカーはチームスポーツ。テレビでも、お笑い番組で毎回面白いことは言えないけど、この人がいるとすごく番組がうまく回っているなって感じることがあるじゃないですか。

JPFAアワードでは、そういう選手が選ばれる可能性だってあるわけです。

たとえば、優勝したヴィッセル神戸の場合、サコ(大迫勇也)、ヨッチ(武藤嘉紀)、ホタル(山口蛍)が注目されがちだけど、みんな、『本多(本多勇喜)が良かった』って言う。

今回受賞するかどうかは分からないけど、こういう見方もあるんだなっていう部分。こういう違いが面白いなって、楽しんでもらえたら」

-将来的に、このJPFAアワードはどんな存在になってほしいですか

「ここから、この先20年、30年と続いていったらいい。選手の一番の目標であり、1つの登竜門的なものになってほしい。みんなが『代表に入りたい』と思うのと同じように、『この賞に選ばれたい』と思ってもらえるように価値を高めていきたいと思います」

◆JPFAアワード 昨季新設。海外組も含めた男子会員(1716人)が投票し選ぶ。Jリーグの3カテゴリーと、リーグを問わず選出(海外を含む)するJPFAカテゴリー、計4つの「最優秀選手賞」「ベストイレブン」、のべ48人を表彰。23年1月に実施された第1回のJPFA最優秀選手賞は三笘薫だった。

<極楽湯 presents 日本プロサッカー選手会アワード2023>

◇タイトルパートナー 株式会社 極楽湯

◇シルバーパートナー EPG株式会社、株式会社サンメディカル