サンフレッチェ広島が、湘南ベルマーレFW大橋祐紀(27)の完全移籍による獲得を決定的にしたことが8日、分かった。今オフの去就で最も注目された日本人FWに対し、国内6クラブ以上による争奪戦が行われ、関係者によると、この日までに広島入りの意思を固めたという。条件など細部を詰め、近く正式発表される。

湘南で昨季23試合13得点(得点ランキング7位)という決定力を示した大橋には今オフ、慰留に努めた湘南に加え、広島、福岡、C大阪、鹿島、G大阪など6クラブ以上が獲得に名乗りを上げていた。

関係者によると、本人は海外移籍を視野に入れたため、結論は越年。最終的に国内では広島、福岡、C大阪の選択となり、リーグ戦2年連続3位に入った広島でステップアップを図る決断をしたという。

181センチ、76キロの大橋は昨年、鳥栖との開幕戦で自身初のハットトリックを達成。躍動感あふれる点取り屋に成長し、各クラブの評価は急上昇した。その中で、今季から使用する新本拠地「エディオンピースウイング広島」の看板選手にしたい広島が、争奪戦を制した形となった。

広島では今季、ブラジル人のドウグラス・ヴィエイラ(36)ら外国籍FWを押しのけ、大橋が1トップで起用される可能性が高い。1・5列目以降には、中大時代の1年後輩にあたるFW加藤陸次樹(26)や、日本代表定着を狙うFW満田誠(24)、MF川村拓夢(24)ら逸材も多く、大橋の加入でさらに攻撃力のアップが期待できそうだ。

広島は就任3年目を迎えるドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督(58)の集大成のシーズンになる。過去2年は戦力的に万全ではなかったチームを、22年はルヴァン杯初優勝へ、リーグ戦は22、23年と2年連続3位へと導いた。大橋の加入により、森保監督時代の15年以来、9年ぶりのリーグ制覇を狙える編成となる。

広島は今週から広島県内で自主トレが始まり、15日からの宮崎キャンプで本格始動となる。

◆大橋祐紀(おおはし・ゆうき)1996年(平8)7月27日、千葉・松戸市生まれ。千葉のジュニアユース(U-15)から八千代に進み、中大4年時の18年に特別指定として湘南でJ1デビューし、19年プロ契約。入団5年目の23年は23試合13得点とブレークした。J1通算90試合20得点。181センチ、76キロ。