黒田剛監督に率いられたJ1初昇格のFC町田ゼルビアが、ガンバ大阪と1-1で引き分け、開幕戦勝利とはならなかった。前半17分に相手ハンドで得たPKをDF鈴木準弥が決めて先制した。しかし後半15分にMF仙頭啓矢が危険なプレーで退場となり10人となった。終盤は守備に追われる状況が続き、後半39分にG大阪FW宇佐美貴史に芸術的なFKを決められた。このまま1-1で引き分けた。町田GIONスタジアムは1万3506人と過去最多の入場者数を記録した。

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GK谷、MF柴戸、仙頭ら新加入選手7人が先発メンバーに名前を連ねた。J2で優勝を果たしたが、新たにJ1仕様のメンバーをそろえて臨んだ開幕戦。

前半から町田の狙い通りの戦いとなった。1トップには新加入の194センチの長身FWオ・セフン。スローインとなればターゲットマン目がけ、左サイドからDF林がゴール前へ矢のようなボールを入れた。競った後のセカンドボールからシュートを狙った。

前半13分、中盤のボールカットから左サイドのMFナ・サンホにボールが渡る。ペナルティーエリアへ持ちこみクロスボールを送るが、対応したG大阪DF中田ばブロック。しかしVARが介入し、右手に当たっていることが確認された。ハンドの判定で町田はPKを獲得した。

このPKを前半17分、DF鈴木が右足で決めた。GK一森が動くことを想定して中央を狙ったシュートは手に触れられたが、勢いに押されてゴールネットを揺らした。幸先良く1-0とリードした。

直後にナ・サンホが負傷するアクシデントに見舞われたためFW藤尾を投入。その後もペースを握り、好機をつくりながら試合を進めた町田。前半はシュート数13対2の通り、昇格1年目とは思えない安定した戦い振りを披露し、リードしたまま折り返した。

後半、町田はピンチに陥った。15分、中盤で浮いた相手ボールのカットを狙った仙頭が足裏を見せてファウル。危険なプレーで2枚目のイエローでレッドカードとなった。仙頭のいたボランチにMF下田を投入し、オ・セフンを下げた。引いて守る形へとシフトチェンジ。G大阪がボールを握り、押し込まれる展開が続く。それでもペナルティーエリア内に8人が戻り、懸命に体を張った。

しかし、G大阪に追いつかれた。後半39分、FW宇佐美に約25メートルの距離から芸術的なFKを決められた。GK谷が懸命に手を伸ばしたが、大きく曲がて落ちるボールはゴール左隅へと吸い込まれた。1-1の同点となった。

その後もゴール前まで押し込まれ、耐える時間が続いた。全員が引いて勝ち点1をつかむことにテーマを切り替えた。宇佐美らにシュートを浴びながらもGK谷を中心に体を張って守り抜き、試合終了のホイッスルを聞いた。勝利はならなかったが黒田ゼルビアは勝ち点1を手にした。

【動画】 G大阪キャプテン宇佐美貴史、同点弾 完璧なFKからゴールを決める

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