FC町田ゼルビアが若きエース、藤尾翔太(22)のゴールでJ1初勝利を挙げた。

名古屋グランパス戦の前半21分、右サイドからDF鈴木が入れたクロスボールに、194センチの長身FWオ・セフンが飛び込んだ裏で、藤尾が相手選手と競り合いながら頭で押し込んだ。

藤尾は得点だけでなく、前線からの守備でもチームに貢献した。1点リードして迎えた後半42分、パスの出しどころを失った名古屋MF米本のボールを奪い、ゴールに向かうとしたところで倒された。決定機阻止のファウルで米本は一発レッド。終盤に数的優位に立ち、チームは危なげなく勝利を挙げた。

藤尾は「めちゃくちゃうれしいです。鈴木選手からいいクロスが上がって、後はゴールを見て決めるだけでした。良かったです」。

セレッソ大阪から昨季はレンタル移籍でJ2を戦い、今季は完全移籍で加入。J1を戦うに当たり、チームにはオーストラリア代表FWミッチェル・デューク、韓国人FWのオ・セフンとナ・サンホら実力ある選手がそろい、ポジション争いが激化している。開幕戦は先発を譲ったナ・サンホの負傷もあって途中から出場。そのナ・サンホが離脱する中でフル出場し、攻守に渡って勝利の立役者となった。

Jリーグの公式スタッツによると、藤尾の走行距離は12キロに達しており、両チーム併せてトップの数値だった。黒田剛監督も「90分よく走ってくれた。高い位置からプレスではめていく(オ・セフンとの)2人の連係がしっかりしていた。相手のビルドアップも制限させられたし、2トップが良かった」とたたえた。3年ぶりのJ1でのゴールに藤尾は「次はホームで勝ってないので1勝したいです」と笑顔で誓っていた。

【J1】神戸-柏、名古屋-町田、鹿島-C大阪、FC東京-広島など/スコア速報