セレッソ大阪に新加入したブラジル人、FWヴィトール・ブエノ(29)が来日3試合目で待望のJリーグ初ゴールを挙げ、今季初めて2連勝に導いた。後半開始から途中出場し、全2得点に絡む活躍だ。

0-0で迎えた後半3分、DF毎熊の右クロスが相手守備に跳ね返され、そのこぼれ球を、利き足ではない左足でシュート回転をかけ、ループ気味にクロスバーに当てながら先制ゴールを決めた。

続く同19分には、貴重な追加点となるMF柴山のJ1初得点を右足のスルーパスで演出。自身の先制ゴールといい、柔らかいボールタッチからの高度な技術は、簡単にまねできるものではない。

「3試合目で(最長の)45分プレーできたのはよかった。C大阪のユニホームで初ゴールを決められて、うれしい。勝ち点3を大阪に持ち帰ることができた」

今年1月、母国の名門アトレチコ・パラナエンセから移籍金2億円(推定)で新加入。開幕から全試合にベンチ入りするものの、先発はまだない。この日はMF香川とハーフタイムで交代し、わずか3分後の大仕事だった。

日本での初挑戦は、日系4世のマユミ夫人の存在が大きい。3歳から8歳まで滋賀・長浜市で育ったという夫人は、再来日となった今回、カタコトの日本語を使いながら周囲と意思疎通を図り、生活をサポートしてくれている。

「日本の文化に触れられるのは、2人にとって幸せなこと。選手としても、自分たちの人生でも最高の瞬間だと思う」とブエノ。

小菊昭雄監督(48)が大黒柱、香川と交代してまで投入した秘密兵器。中断明け後は、先発出場があるかもしれない。

◆ヴィトール・ブエノ 1994年9月5日、ブラジル生まれ。母国ボタフォゴ、サントス、ウクライナのクラブを経て、再び母国のサンパウロ、22年2月にアトレチコ・パラナエンセへ移籍。プレースキック、ミドル、ロングシュートが得意。185センチ、78キロ、右利き。