FC町田ゼルビア主将のDF昌子源(31)が、守りを引き締めた。

サガン鳥栖に同点とされて1-1で折り返すと、黒田剛監督は後半開始から昌子を起用。チャン・ミンギュ、ドレシェヴィッチと3バックを組んだ。

シーズン前のキャンプでひざを痛め、開幕から離脱していたが、前節のコンサドーレ札幌戦で後半44分から出場。そしてこの日は、後半からアディショナルタイムも含め50分超の時間をピッチに立った。

持ち前のリーダーシップと戦術眼でDFラインを統率した。そしてピンチには体を張って防いだ。

後半22分、鳥栖にカウンター攻撃を浴び、エリア外からFWビニシウス・アラウージョが鋭いシュートを打った。すかさずその前に昌子が飛び出し、腹部でシュートをブロック。2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会でレギュラーとして大活躍した男が、あらためてレベルの高さを見せた。

黒田監督からは「ゲームを落ち着かせてくれ」と伝えられての出場だった。昌子を中心とした守りが安定したことで、後半の勝ち越し点につながった。試合後の会見で指揮官は「彼がベンチに入ると安心感がある。(後半のピッチで)リーダーシップを取ってくれて良かった」とたたえた。

チームは4連勝で首位をキープ。鹿島アントラーズ時代の2018年にはアジア・チャンピオンズリーグ優勝も経験した男は、町田の強さについて「慢心がない。練習から手を抜けない。抜いたら試合に出られない。俺たちはもっとやらないと、という集団になっている。素晴らしいチームになっている」と分析した。

一方で、強豪クラブとの対戦が入ってくることも踏まえ、この日の鳥栖戦で見えた課題を口にした。

「同点に追い付かれる前から少し嫌な流れになってきた。流れが悪い時にいかにピッチ内で立て直せるか。代表クラスの選手が多いチームと当たった時に、外の指示を待たずに修正できるかが大事になる」

チームの精神的支柱が本格復帰したことで、町田の勢いはさらに加速しそうな気配だ。