横浜F・マリノス主将の喜田拓也(32)がJ1通算300試合出場を果たした。

後半開始早々にDF諏訪間幸成が決定機阻止で一発退場となった中、後半25分から登場。持ち前のチーム統率力とゲームコントロール力を発揮し、数的不利を感じさせない戦いに持ち込んだ。

小学生のアカデミー時代からマリノス一筋。18歳でプロとなり、ここまで14年在籍し「マリノスの魂」とも呼ばれるクラブの象徴だ。スタンドには喜田の300試合到達を祝う横断幕が掲げられた。

「横断幕を用意してもらえるなんて思ってなくて、びっくりではありましえたけど、その言葉の中に“ありがとう”って文字があって。こちらがありがとうなのに、みなさんからありがとうって言ってもらえて本当に感じるものがたくさんあった。ちょっと気を抜いたら感極まってしまいそうだったんですけど、何とか耐えました」

喜田は喜びをかみしめるよに、言葉を一つ一つ、丁寧につむいだ。

そして「このチームに人生をかけてきた。そういった道が数字として残ることに関してはありがたく思うし、ただその数字とかに満足という気持ちは一切なくて、もう本当に出てくるのは大きな感謝です。その道で出会えた素晴らしい仲間たち、これが一番の宝物」と言い切った。

この日は1人少なくなった中、最後までチームの集中力が切れなかった。横浜は8月29日に浦和レッズに敗れて以来、公式戦14試合負けなし。チームが一体となってハードワークを仕掛け、最後まで戦い抜くというマインドを発揮しての勝ち点1だった。

「姿勢と中身という部分では次につながる要素があった。プレスのところも(相手の攻勢を)受けすぎないというところはみんなハードワークした。当然1人少ないので(プレスをかける)範囲は広がりますけど、チームとしてやろうとしていることが出たゲームだった」と振り返った。

2019年、22年にリーグ優勝を経験し、昨季は初のJ2降格かという厳しいシーズンも味わった。酸いも甘いも知る男だ。

宮市亮は喜田の300試合について「彼の日頃の取り組みだったり、メンタリティーであったり、このクラブのためにという思いがあってのもの。それだけ彼が積み上げてきたもの」と称賛した。

喜田がいるからこそ、名門マリノスは崩れない。

「まだまだここから人として、男として成長していきたいですし、何よりこのチームに、仲間のために貢献できる選手でありたい」

喜田拓也にとって、300試合は一つの通過点でしかない。【佐藤隆志】