クライトン残留!

 去就が注目されていた札幌MFクライトン(31)が2月12日から始まる熊本キャンプでチームに合流することが30日、クラブから発表された。クライトン自身は心臓病の父の看病という理由でブラジルでのプレーを望んでいたが、今季契約を結んでいる札幌側がシーズン中の帰国を認める“譲歩案”を提示し、本人が翻意。札幌で再びプレーすることを決意した。

 クライトンが札幌のJ1昇格に貢献することを決意した。心臓病の父の看病を理由にグアムキャンプに合流していなかったが、札幌側から提示された複数の“譲歩案”にクライトン本人が軟化。この日、札幌で継続してプレーすることが発表された。三上大勝強化部長(37)は「基本的には、ずっとうちでプレーしてくれる方向で話を続けていた」と胸をなで下ろした。

 ブラジルでのプレーを希望していたクライトンに、札幌が歩み寄りを見せた。古巣アトレチコ・パラナエンセでは、札幌退団の場合に発生する約3000万円の違約金を肩代わりする案もあったが資金難のため、代わりに複数の若手選手を交代要員として提示。だが、札幌側はいずれもクライトンの代役に匹敵しないと断固、拒否し続けていた。

 双方の意見が平行線をたどっていたが、札幌側から、父親の病状が悪化した際、シーズン中でも帰国を認めることを条件に盛り込むなど、翻意をうながした。J2でのプレーに消極的で、家族からも母国でのプレーを熱望さていたが、新たな条件提示に再来日を決意。アトレチコ側からの正式オファーもなく、札幌との契約を履行するに至った。

 札幌では生活面でのサポートも条件に加えた。昨季と異なり、父親の看病のため家族をブラジルに残し、単身での来日となる。三上強化部長は「生活面でのフォローなどできることはやっていく」と話した。

 選手には、この日の午後練習前にクライトンの合流を極秘で通達。チーム内の最大の懸案事項が取り除かれた。あとは、1日も早くJ1昇格への形を築いていくだけだ。