鹿島は、昨年9月20日の柏戦で左ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷及び半月板損傷の重傷を負ったMF小笠原満男(29)が、約5カ月半ぶりに戦列に復帰。開幕勝利の「切り札」としてベンチ入りする。

 重傷を負ってから約5カ月半。ついに、この時がやってきた。満員のホーム開幕戦、相手は浦和。格好の舞台で、復活を告げるベンチ入りを果たした小笠原は「やっとという感じです。感覚は大丈夫」と意気込んだ。

 負傷した当初は4月復帰を目指していただけに、まさに驚異の回復。ベンチスタートながら「新人じゃないし、やるべきことは分かる。試合の状況を見て自分のできることをやる」と断言した。オリベイラ監督が「出場の可否は試合状況によるが、戦力としてベンチに入れる」と話したように「テスト」ではない。キープ力と判断力をいかして試合をコントロールしてほしい時、逆転を狙う終盤に相手の急所を突くキラーパスが必要な時などの勝負どころで投入される可能性が高い。

 6日も小笠原は雨中の練習で精力的に調整。日本代表DF内田に「(浦和戦メンバーには)神の域に入っている人たちがいる」と評させる「神」の1人で、その存在感は絶大だ。普段から「負けたら楽しくない」と口にする主将が、自らの復帰戦を勝利で祝う。【菅家大輔】