<J2:仙台1-0札幌>◇第47節◇25日◇ユアスタ

 コンサドーレ札幌が、仙台に期限付き移籍中のGK林卓人(27)の来季復帰を断念したことが25日、分かった。仙台はJ1昇格の可否にかかわらず、今季47試合にフル出場している林を来季戦力として考えており、本人も残留を熱望。札幌との契約は今季いっぱいで満了するが、今オフの慰留交渉は行わないことを仙台側に伝えたもよう。04年アテネ五輪出場に貢献した元U-23代表GKが札幌を去ることが確実となった。

 札幌が、最終的に林の意思を最優先する道を選んだ。クラブでは昨オフに1度、復帰要請を出したが、J1昇格目前で逃した林自身の仙台残留に対する強い気持ちを尊重して、期限付き移籍期間を1年延長。今季も林本人が「自分は仙台の一員」と仙台に残ってプレーを続けることを強く望んでおり、慰留はあきらめていたようだ。

 この日先発した林は、札幌の終盤の猛攻を耐えしのぎ無失点。守備陣の柱として奮闘した。札幌の昇格が消滅した半面、仙台は昇格へ王手をかけ、目標達成を目前にしている現状も拍車をかけた。矢萩竹美社長(59)が「前と後ろは重要ポイントと考えている」と話すように、札幌では今後、林移籍も見越した来季GK補強に力を入れていく方針だ。