J2仙台が、29日の天皇杯準決勝(対G大阪、国立)に総力戦で挑む。出場停止のセンターバック渡辺に代わり、今季限りでチームを去るDF木谷公亮(31)が先発。さらに、27日の紅白戦で右サイドバック(SB)菅井が左ひざを打撲。左SB朴も腰痛が完治せず、それぞれDF田村と一柳が代役を務めた。4バックのうち3枚が入れ替わる可能性もあるが、総合力で元日切符をつかむ。

 大一番を目前にしてのアクシデントにも動じない。渡辺に代わって先発する木谷は「いつ出番が来ても大丈夫なように1年間、準備してきたから」。両翼の菅井と朴を欠く可能性もあるが、手倉森監督は「木谷の経験なら、やってくれるはず。直前まで様子を見るけど、SBの災難も今まで田村と一柳に助けられてきた」と心配しなかった。

 戦力外通告され、来季はJ2鳥栖に移籍する木谷は「(準決勝が)最後の試合じゃない。タイトルを目指すチームの力になる」と約束した。後輩の渡辺にもアドバイスを求めるなど、最後までベガルタの一員として身を削る。既に引っ越しを終えた。あとは仕事に集中するだけだ。

 両SBの代役候補も、準備に抜かりはない。左ひざ打撲の菅井は、アイシング箱を手に帰宅。先発の可能性が出た田村は「それなら僕が一発勝負のラッキーボーイになればいい」とニヤリ。12日の準々決勝・川崎F戦で120分フル出場し自信も深めている。

 DF朴は紅白戦の一部に参加したものの、左の腰痛が完治していない。ならばと一柳は「誰が出ても問題ない。準備するだけ」と強気だ。ここまで来たら戦える人間がベストメンバー。総力戦で元日に駒を進める。【木下淳】