元気があれば、堅守になれる!

 J1仙台の一部守備選手が、宮崎キャンプ10日目の22日、特徴的なアゴの形を生かした「闘魂ディフェンス」を発案した。GK林卓人(27)と4バックの左から朴柱成(26)鎌田次郎(24)渡辺広大(23)田村直也(25)が同時出場した場合、燃える闘魂ことアントニオ猪木氏(67)のように、規格外の威圧感を持った鉄壁が完成(ビジュアル的に)。J1に「ダァー!!」と殴り込む。

 この道を行けば、どうなるものか。猪木氏の名言通り、若きベガルタ戦士にとってJ1の戦いは未知数。闘魂だけは欠かせない。まず、右サイドバック候補の田村が口火を切った。5人が並ぶ姿を想像し「威圧感がありますね、顔面的に」と武者震い。この日、レギュラーの菅井が負傷から復帰したが「闘魂ディフェンス」の完成へ「ヒゲでオブラートに包んでますけど、隠れ『しゃくれ』なんすよね」と出場を直訴した。

 渡辺も並々ならぬ闘志を燃やす。「今年はアゴの1年にしましょうか。日本中のアゴの方々、力を貸してください」と要求。さらに「ピッチに並ぶモアイを見て、リフレッシュしてください」とファンサービスも約束した。ラインコントロールを任される若きDFリーダー。アゴのライン的にも息ピッタリなはずだ。

 鎌田は「新聞に書かれると相手ファンにヤジられそう」と警戒しつつ「確かに仙台って、しゃくれてる選手が多い」と新加入ながら居心地はいい。ビルドアップが売りの鎌田なら、素早く攻撃に転じる仙台のスタイルに合う。速くて正確。さながらペリカン便だ。

 朴は、猪木氏と同じ2月20日が誕生日。リハビリ中でノーコメントだったが、以前「韓国時代の愛称は『アゴ』だった」と話すなど違和感はない。GK林も「鎌田には負けるよ」と謙遜(けんそん)した上で「誰と組もうが、いつでも鉄壁でいたい。好きに書いていいよ」と笑顔で話した。

 手倉森監督も「よく気付いたな。長いシーズン、5人がそろう可能性はある」と「闘魂ディフェンス」の発動を示唆した。迷わず行けよ、行けば分かるさ。時にはビジュアルで、J1勢を圧倒する。【木下淳】