W杯カタール大会で、日本代表がコスタリカに痛恨の敗戦を喫してから一夜明けた28日、途中出場ながらも得意のドリブルでひときわ存在感を放っていた、MF三笘薫(25=ブライトン)の大学時代の恩師、筑波大蹴球部・小井土正亮監督が取材に応じた。

日本は試合を支配しながらも、わずかな隙を突かれて決勝点を許した。三笘は鋭いドリブルで好機をつくったが、得点には結びつかなかった。小井土氏は三笘のプレーについて「彼の強みを前面に押し出していた。調子は悪くないんだろうと思う」と話した。試合を振り返り「本人なりチームは非常に悔しい思いをしていると思う」と語った。

大学4年間は武器のドリブルに磨きをかけた。三笘の卒業論文のテーマは「サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究」。視線の場所など、自分のドリブルが他の選手とどう違うのか。頭に小型のカメラを付けて分析していたという。小井土氏は三笘のドリブルについて「シンプルにスピードとテクニックがあるのはもちろん、何より相手の逆をとり続けられる」と評価。大学時代については「常に1対1の練習していました」と振り返った。

12月2日午前4時(日本時間)に大一番となるスペイン戦を迎える。小井土氏は「日本中が三笘に期待していると思う。その期待は本人はプレッシャーとして捉えていないと思いますし、楽しんでほしい」とエールを送った。【沢田直人】