【ドーハ(カタール)13日=磯綾乃】究極の“矛盾対決”が実現する。14日の準決勝で対戦するフランスとモロッコが前日会見を行った。フランスは現在5ゴールを挙げ得点ランキング1位のFWエムバペ、4ゴールで次ぐFWジルーを擁する攻撃陣の厚みが魅力。対するモロッコは5試合を終えて大会最少わずか1失点の堅守を武器に前回王者に挑む。

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フランスのデシャン監督は「私たちが目指すのは得点できるように相手を苦しめること」と言い切った。モロッコサポーターが大勢駆けつけることが予想されるが「私は敵意という言葉が好きではない。彼らは非常に大切な熱意を持っている」と平常心。ここまで5試合計11得点を挙げている攻撃的な「矛」で、アフリカから吹く旋風を止める。

○…モロッコのレグラギ監督は何度も「ハングリー」と繰り返した。「私たちは疲れていません。繰り返します。私たちはハングリーです」。フランス生まれの指揮官は、アフリカ勢初の4強入りで満足するつもりはない。「決勝に行って勝ちたい。明日へとてつもないエネルギーを感じている」。失点したのは1次リーグ3戦目のカナダ戦のみ。堅い「盾」を持って、再び欧州の強豪を食う。