アフリカ勢初の4強入りを果たしたモロッコの快進撃はストップした。フランスに0-2で敗れ、悲願の決勝進出はならなかった。

それでもモロッコは連覇を狙う王者に対し、真っ向勝負を挑み、何度か相手ゴールを脅かした。

この日は6万8294人の大観衆がスタジアムを訪れたが、赤と緑をまとったモロッコサポーターは耳をつんざくばかりの声援でフランスにプレッシャーをかけるなど、チームを後押しした。

モロッコは前半5分に先制を許したものの、ビッグクラブも注目の守備的MFアムラバト(フィオレンティナ)は激しいタックルでボールを蹴り続け、ウナヒ(アンジェ)は巧みなドリブルでボールを前線へと運んだ。

同44分にはジエシュ(チェルシー)の右CKからヤミク(バリャドリード)がオーバーヘッドでゴールを狙ったが、横っ跳びした相手GKロリスに指先ではじかれ、惜しくも得点はならなかった。

試合終盤にも猛攻をしかけ、ゴールまであと1歩のところまで迫ったが、最後まで攻撃面で決定的な仕事はできなかった。ここまで5試合で1失点だった守備陣もこの日は王者の前に2失点した。

だがアフリカ勢としてだけでなく、アラブの代表としても、その全力プレーでしっかりと世界中のファンにアピール。今大会に最大のサプライズを与えてくれたモロッコはすがすがしい余韻をスタジアムに残して大会を去った。