【ドーハ(カタール)16日=磯綾乃】アフリカ勢初の4強入りを果たしたモロッコ(FIFAランキング22位)が、表彰台に快進撃の証しを刻む。

クロアチア(同12位)と対戦する17日の3位決定戦を前に、ワリド・レグラギ監督(47)が前日会見に出席。14日の準決勝でフランスに敗れ、決勝進出はならなかったが、3位に入れば立派な快挙。前回準優勝国を相手に再びモロッコ旋風を吹かせられるか。

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レグラギ監督は気持ちを再び高めるように、選手たちへ言った。「これがワールドカップの7回目の試合になる」。準決勝でフランスに0-2で敗れたが、W杯最大となる7試合を戦うことができる。「モロッコは20年あまりでW杯6試合をプレーしてきたが、今は1カ月で6試合をプレーしている。これは非常に貴重だ」。急速に積み上げた経験で、最後にまた世界を沸かせる。

3位の座を争うのはクロアチア。1次リーグでは同組に入り、初戦で対戦した際はスコアレスドロー。「クロアチアのパフォーマンスが非常に優れていることが分かった」。前回準優勝を果たした相手の実力は十分分かっているが、ここで旋風を止めるわけにはいかない。

快進撃を支えた主力数人が故障。この日、指揮官は主将のDFサイスの欠場を明言したが「まだ終わっていない。このチームを信じている」と総力戦へ意気込む。欧州、南米勢以外のチームが3位となれば1930年大会の米国以来の快挙。「勝つことで、我々とファンの夢を前に進められる」。最後まで夢を追い続ける。