日本サッカー協会が31日、ロシアで行われるワールドカップ(W杯)に出場する日本代表メンバー23人を発表した。

 4年に1度の大舞台に立てるのはわずか23人。W杯本大会メンバー発表を巡っては、過去様々なドラマ、サプライズが生まれてきた。

98年フランス大会 外れるのはカズ、三浦カズ

スイスでの直前合宿中に、25人から22人に絞る2段階選考。岡田監督が「落ちるのはカズ、三浦カズ」とFW三浦知良(東京V)MF北沢豪(東京V)DF市川大祐(清水)の落選を通告。当初は以後も帯同させる予定だったが、ショックの大きいカズと北沢は合宿地スイスから帰国させた。カズは成田空港で「代表の魂は置いてきた」。一方で当時18歳の小野伸二が選出された

98年、日本代表から外され、記者会見に臨むカズ
98年、日本代表から外され、記者会見に臨むカズ

カズ落選の真相 発表9時間前岡田氏「俺が決める」


02年日韓大会 中村俊輔が落選

「出たくない」と会見出席を回避したトルシエ監督に代わり、日本協会強化推進本部の木之本副本部長が都内のホテルでリストを読み上げた。直前の絞り込みをやめ、いきなり最終登録メンバー23人を発表。中山雅史(磐田)、秋田豊(鹿島)の両ベテランがサプライズ選出された一方で、有力視されていた中村俊輔(横浜)が落選。失意の中村はクラブハウスで会見し「悔しいと思ったら、また強くなれる」と涙をこらえながら話した。

日本代表落選し報道陣に囲まれて記者の質問に答える中村俊輔(共同)
日本代表落選し報道陣に囲まれて記者の質問に答える中村俊輔(共同)

俊輔落選2カ月前人任せ通告 トルシエ監督は逃げた


06年ドイツ大会 「ヤナギサワ、タマダ…マキ」

ジーコ監督が都内のホテルで会見し、23人のメンバーを発表。「タカハラ、オオグロ、ヤナギサワ、タマダ…」に続き「マキ」と発表すると、会場からはどよめきの声が上がった。FWは久保竜彦(横浜)の選出が確実視されていたが「コンディションが良くない」という理由で落選。リーグ戦で好調だった巻が招集された。巻は「期待していなかったので、選ばれてびっくり」。久保は「一緒に練習してきた仲間だから頑張ってほしい」と悔しさをかみ殺して話した

W杯メンバー発表後、報道陣の質問に答える日本代表ジーコ監督。左は川淵三郎キャプテン
W杯メンバー発表後、報道陣の質問に答える日本代表ジーコ監督。左は川淵三郎キャプテン

ジーコ監督の部屋に「呼ばれ続けた男」久保が落選


10年南アフリカ大会 香川真司が落選

岡田監督が、98年大会に続いて2度目の代表発表。楢崎、川島に続く第3GKとして川口が入った。ケガで半年以上も公式戦から遠ざかっていただけに、本人も「本当に選ばれるとは…。99・9%無理だと思っていた」というサプライズ選出。精神的な柱としての代表入りだった。一方で、MF香川真司(C大阪)は落選してサポートメンバー入り。「4年後は中心として活躍したい」という思いが飛躍につながった

W杯南アフリカ大会日本代表選手選出され、日の丸を背に気合の入った表情で話す磐田川口能活
W杯南アフリカ大会日本代表選手選出され、日の丸を背に気合の入った表情で話す磐田川口能活

オプションにならなかった香川、選ばれたのは矢野


14年ブラジル大会 大久保が逆転選出

ザッケローニ監督体制では1度しか招集されていなかった大久保嘉人(C大阪)が、前年J1で得点王に輝くなどの好調ぶりが買われ選出された。一方で常連組だった豊田陽平(鳥栖)、細貝萌(ヘルタ)らが落選した

W杯代表に選出され、トロフィーの写真を抱きしめる大久保
W杯代表に選出され、トロフィーの写真を抱きしめる大久保