「神のお告げ」となるか-。06年ワールドカップ・ドイツ大会で日本代表を率いたジーコ氏(65)が日本代表へエールを送った。0-2と敗れたガーナ戦を観戦し、試合後に報道陣の取材に応じた。身ぶり手ぶりで西野ジャパンの問題点について指摘。最後は笑顔で「ダイジョウブ」と話し、W杯での飛躍を願った。

 ジーコ氏はVIPエントランスから姿をみせると、取材陣の姿に驚きの表情を浮かべつつ、質問も待たずに語り始めた。

 「日本は多くのチャンスを作ったが決められず、ガーナはチャンスをシンプルに決めた。日本は横パスが多く、ボールを保持しているが縦が少ない。あれだけ相手が引いていたらドリブルで1人かわすだけでも変わってくるのに、積極性が足りない」

 02年にトルシエ氏の後任で日本代表監督に就任。現役時代にはブラジル代表として3度W杯のピッチに立った経験も持つだけに、言葉には熱がこもった。

 「シュートの意識も薄かった。日本人の特徴は速いパス交換からサイドを崩し、深いスポットでボールをおさめて、後ろから出てきた選手が決めるところ。背が高い選手もいないのに高いクロスボールを入れてもしょうがない」

 身ぶり手ぶりを加えながら、真剣な表情で語った。

 日本代表監督を退任してからは10年以上がたち、メンバーも様変わりした。ジーコ氏の目に日本サッカーの進歩は見えたのだろうか。監督交代直後のチーム状況を踏まえ、提言した。

 「日本人の生かし方を最適にしないといけない。監督が代わったばかりで、システムにも変更があった。タイミングやパスの強さに微妙なズレがあったが、それはやむを得ない。しかし、テストをしている時間はない。早くメンバーを固めた方が良い」

 ひとつの質問も受け付けず一方的にしゃべり続けた。惨敗を喫した日本へ、サッカーの神様からの熱い提言。去り際には日本語で「ダイジョウブ」と笑みを浮かべ、車に乗り込んだ。