【ゼーフェルト(オーストリア)5日(日本時間6日)】西野ジャパンのキーマンはMF原口元気(27=デュッセルドルフ)だ。8日のスイス戦で採用するとみられる4バックでは、本職の2列目の左サイドではなく層が薄い右サイドを任される見込み。全体練習後もシュート練習を行うなど、急ピッチで準備を進めている。ワールドカップ出場にも大きく貢献したドリブラーの出来が、チームの勝敗に大きく影響することになりそうだ。

 2グループに分かれたシュート練習で原口が目立った。他選手が順番にゴール前でフリーでパスを受けてシュートを打つ中、DF遠藤にマークを頼んで右角からドリブルを仕掛けてシュートを繰り返す。激しくやり合った。最後まで残り、本数はグループ内で最多の24本。20本にドリブルを織り交ぜ、そのうち17本は利き足でない左足でカットイン。感覚をすり込ませるように続けた。「やるからには突破したいしシュートに持っていきたい」。そう言葉に力を込めた。

 本来は利き足が使える左サイドを得意とする。ただ、全メンバーで左利きは本田しかおらず、FW久保、浅野が落選するなどして層が薄くなった右サイドを任せられるのは西野監督からの期待の表れでもある。試している3バックでは右ウイングバックもこなす原口は「生命線じゃないけど、ドリブルで相手を1人はがせるかはがせないか。僕らサイドの選手はそこで力を出せるかどうかだと思う。自分が出るからには」。たとえ本職でなくとも与えられた役目は同じ。ドリブラーの意地は捨てない。

 16-17年シーズンに所属したヘルタでは右サイドが主戦場だった。ハリルジャパンでもはじめは右サイドで起用されていたため不慣れではない。だが、今年1月に移籍したデュッセルドルフではまた左でプレーし、ブランクはある。「ポーランドと同じくらい力を持っている」と警戒するスイスに通用するドリブルに仕上げるため、「いい感覚を取り戻せるように」と強い意識を持って練習をこなした。

 W杯予選では4戦連続ゴールを記録するなど乗ったら止まらない男は「次も(点を)とれたらいい。自信になる」と静かに闘志を燃やした。浦和、ヘルタ、デュッセルドルフ、そして日本代表と、すべて初ゴールは右足だった。今度は左足で、チームを救う一発をたたき込む。【岡崎悠利】